毎年何気なく眺めていたひな人形には、先人たちが娘の健やかな成長を願ったメッセージが隠されています。昔は「立っている」のが当たり前だったひな人形や、菱餅の3色に隠された春の情景まで。日本の伝統行事をより豊かに味わうための、知っておきたい豆知識をまとめました。
ひな人形の意外な歴史!昔は「立っている」のが当たり前だった?
ひな祭りといえば、豪華な壇に座ったお人形をイメージしませんか?実はひな人形の歴史を遡ると、昔は「立っている」タイプが主流だったんです。
現在よく見る「座り雛」が広まったのは江戸時代の中期から。それ以前は、男雛と女雛の二人だけで構成される「立ち雛(たちびな)」が一般的でした。
この立ち雛、今の私たちの暮らしにぴったり。男雛と女雛の二人が並ぶシンプルなスタイルで、非常にコンパクト。場所を取らないため、マンションなどの限られたスペースでも飾りやすいと、今人気が再燃しているんです。
歴史ある伝統の形でありながら、現代のライフスタイルにもフィットする立ち雛。今年のひな祭りは、そんな背景を知った上でお気に入りを探してみるのも素敵ですね。

ほう……立ち雛が主流だったものを、江戸中期から座り雛に変えた。なぜだ? 豪華にしたかったからか? 売れるからか? 儂の長年の職人勘が言っとる。「そこに商売の匂いがするぞ」と。
昔からそうだ。本物がひっそり佇んでいるところへ、時代の空気というやつが「もっと華やかに」「もっと大きな商いを」と余計な手を入れる。そうして気づけば、元の姿が見えなくなる。
伝統とは、積み重ねることと、守り抜くことの両方がいる。ただ古いものに従えと言っとるんじゃない。何を変えて、何を変えてはならんか──そこに職人の魂が問われるんだ。
今になって立ち雛が見直されとるというのは、世間がようやく気づいたということか。遅いわ! と言いたいところだが……まあ、気づかんよりはマシだ。儂は、そう思うことにする。
- ひな人形の本来のスタイルは「立ち雛」
- 豪華な「座り雛」が広まったのは江戸時代中期から
- 立ち雛は男雛と女雛のみのシンプルな「親王飾り」
- コンパクトで場所をとらないため、現代の住宅事情に適しており人気が再燃中
ひな人形の「三人官女」に隠された秘密!真ん中だけ既婚者?
ひな祭りの時期に飾る豪華な段飾り。その二段目に並ぶ「三人官女」をじっくり見たことはありますか?実は彼女たち、よく見ると顔立ちが一人だけ違うんです。
真ん中に座る官女は、よく見るとお歯黒をしていて眉毛がありません。これは昔の日本で「既婚女性」の証でした。つまり、中央の女性は経験豊富なリーダー格、両端の二人は未婚の若手という構成なんです。ちなみに官女とは内裏(だいり)に仕える優秀なエリート女性たち。
今まで「なんとなく三人並んでいるな」と思っていた方も、この設定を知ると裏の物語が見えてきませんか?リーダーはどんな性格なのか、左右の二人は新米なのかな……なんて想像を膨らませるのも楽しいものです。


えぇ~!?三人官女にそんな設定があったの!?ボク、ひな人形って「なんか豪華に並んでるやつ」くらいにしか思ってなかったんだけど、目から鱗だよ。
真ん中のお姉さん、お歯黒して眉毛がないって……それ、今のボクらからしたら「えっ、怖っ!」ってなっちゃうけど、昔はそれが「経験豊富でデキる女」の証だったんだね!
既婚のベテランが真ん中でどっしり構えて、両脇に新人ふたりって、これもう完全に今と変わらない職場の構図だよね。「分からないことは先輩に聞きなさい」みたいな。
こういう「裏の物語」を知ると、ただ飾ってあるだけの人形が急に人間っぽく見えてくるよね。次にお雛様を見る時は、絶対に真ん中のお姉さんの顔、ガン見しちゃう自信があるわ(笑)
- 三人官女は天皇の住まい(内裏)に仕える優秀なエリート女性
- 中央に座る官女だけが「既婚者」、両端の二人は「未婚者」
- 既婚の証として、中央の官女には「お歯黒」と「眉なし」の細工が施されている
- 官女の役割は皇族の身の回りのお世話など。高位の官女になると、天皇の職務や祭祀をサポートしていた
ひな祭りの菱餅、色の意味を知ってる?赤・白・緑に込められた願い
ひな祭りの飾りで目を引く、カラフルな「菱餅(ひしもち)」。あの3色には、女の子の健やかな成長を願う深い意味が込められています。
- 赤: クチナシで色付け。解毒作用のあるクチナシは「魔除け」を象徴し、桃の花を表します。
- 白: 滋養強壮の効果がある菱の実を入れ、「清浄」な残雪を表す。
- 緑: 造血効果があるヨモギを使い、「厄除け」と生命力あふれる若草を表します。
この3色が重なることで、「雪の下に新芽が芽吹き、桃の花が咲く」という、春の訪れを象徴する情景が完成するのです。
ちなみに、昔は今のような3色ではなく、緑と白の2色だけだったそうです。今の菱形になったのは江戸時代から。今年のひな祭りは、歴史のロマンを感じながら、一味違うお祝いを楽しんでみませんか?


菱餅の3色に、そんなに深い願いが込められていたなんて、初めて知りました。赤白緑、それぞれに薬効のある植物を使いながら、同時に春の情景まで表している。昔の人たちは、女の子の健やかな成長をこんなにも情緒豊かに、色と自然の力に託していたんですね。
特に「雪の下から新芽が芽吹き、桃の花が咲く」という重なりの意味が、私にはとても響きました。白い雪の下に緑の芽がそっと育って、やがて赤い花が開く。…これってまるで、女の子の人生そのものを静かに重ねているようじゃないですか。両親に守られて、清らかに育って、やがて美しく花開く。
親が子どもに込める願いって、どの時代も変わらないんですね。今年のひな祭りは、菱餅をただ食べるんじゃなくて、その色をひとつひとつ眺めながら、そっと春の訪れを感じてみたいと思います。
- 赤・白・緑の3色には、女の子の健やかな成長を願う意味が込められている
- 各色の由来と意味:
- 赤(クチナシ):魔除け、桃の花
- 白(菱の実):清浄、残雪
- 緑(ヨモギ):厄除け、若草
- 3色が重なることで「雪の下で若草が芽吹き、桃の花が咲く」という春の訪れを表現している
- 菱餅の歴史:
- 昔は緑と白の2色だった
- 菱形になったのは江戸時代から


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