1980年代のゲーム業界に登場し、日本中の子どもたちを虜にした伝説の人物「高橋名人」。8月16日は、彼の代名詞でもある「16連射の日」として記念日に制定されています。今回は、当時のファミコンブームを牽引した高橋名人の雑学や、ハドソンの名作ソフトをご紹介します。
高橋名人とは? 16連射で一世を風靡したゲーム界の伝説
eスポーツが世間に定着し、多くのプロゲーマーが活躍する現代ですが、その源流とも言えるのが「高橋名人」です。ゲーム業界に大きな影響を与えた彼の足跡は今も色褪せません。その輝かしい伝説を振り返ってみましょう。
「16連射の日」とは?
毎年8月16日は「16連射の日」です 。これは、当時のコンピュータゲーム機が8bitのCPUを搭載していたことと、「16連射」にちなんで制定されました 。この「16連射」とは、1秒間に16回という超高速度でゲーム機のコントローラーのボタンを連打する高橋名人の技のことです 。1985年に開催された「ハドソン全国キャラバン」においてこの連射が披露され、子供たちの間で大流行しました。定規を使ったり、爪でこすったりして、こぞって名人の真似をしようと夢中になっていたのです。
社員から子供たちのスターへ!「高橋名人」誕生
1959年、北海道札幌市に生まれた高橋利幸さんは、スーパーマーケットへの就職を経て、ゲームメーカー「ハドソン」に入社しました。営業や宣伝を担当していた彼が、自社のファミコンソフトをPRするために、全国各地でデモンストレーションを行うようになったのが「高橋名人」の誕生のきっかけです。彼の親しみやすいキャラクターと「16連射」はすぐに話題となり、ただの広報担当者という枠を越えてまたたく間に人気を獲得していきました。

ゲームの主人公にもなった「高橋名人」
「高橋名人」となり人気を獲得した彼は、1986年には映画『RUNNING BOY スターソルジャーの秘密』の主題歌「RUNNER」で歌手としてCDデビューを果たします 。さらには、自身を主人公としたファミコン用ソフト『高橋名人の冒険島』が発売されると、100万本ものセールスを記録する大ヒットとなり、アニメ化もされました。
現在活躍しているeスポーツのプロゲーマーたちは、賞金を稼ぐ競技者としての側面が強いですが、当時の高橋名人はゲームメーカーの広報マンでありながら、タレントのような存在でした。ファミコンブームの中、子供たちにテレビゲームの楽しさを広く伝える伝道師のような役割を果たしていたのです。
そうたいや〜、高橋名人のサクセスストーリー、めちゃくちゃ夢があるよね!
だってさ、元々はスーパーマーケットで働いてて、そこからゲーム会社に入って広報やってたら、トントン拍子で100万本売れるゲームの主人公になっちゃうんだよ!? 人生何が起きるか分からないよね。
それに代名詞の「16連射」!ボクもゲームやるけど、1秒間に16回もボタン押すとか、もはや人間の限界超えてるよ。指にエンジンでも入ってんじゃないの!?
そういう分かりやすいスゴ技があったからこそ、全国の子どもたちが「名人スゲー!!」ってなったんだろうね。ボクも今日から指立て伏せして連射力鍛えようかな!
「毛利名人」とのゲーム対決!
高橋名人の登場以降、業界には多くの「ファミコン名人」たちが登場しました。その中でも、高橋名人に次ぐ人気を誇ったのが「毛利名人」です。「16連射」で知られる高橋名人に対し、毛利名人は優れたテクニックが特徴でした。
1986年には、『GAME KING 高橋名人VS毛利名人 激突!大決戦』という映画まで制作されています。ゲーム名人の対決をテーマにした前代未聞の映画は、ゲーム史における伝説的な1ページだといえるでしょう。


「高橋名人」にまつわる厳選トリビア3選
一世を風靡した高橋名人ですが、そのブームの裏側には数々の逸話が隠されています。このパートでは、そんな「高橋名人」のトリビアをご紹介します。
高橋名人の伝説の「16連射」の裏話
ファミコン全盛期に子どもたちのカリスマだった高橋名人。彼の代名詞といえば「16連射」です。1秒間に16回もボタンを叩く神業ですが、この伝説には意外な裏話があります。
本当は高橋名人は、当初から17連打以上のスピードを出すことも可能だったそうです。それでもあえて「16連射」としたのは、語呂の良さなどが理由だったそうです。さらに驚くべきことに、還暦を超えて出演したバラエティ番組での実演でも、なんと1秒間に「12連射」という驚異の記録を叩き出しました。高橋名人の指先は、今もなお伝説のスピードを保っているのです。
「16連射」はバネのおかげ? 高橋名人をめぐる都市伝説
ファミコン全盛期、高橋名人は子供たちにとってヒーローのような存在でした。その人気ゆえに、彼の周辺では数々の荒唐無稽な都市伝説やデマが飛び交いました。
高橋名人の代名詞である「16連射」についても、「実はコントローラーにバネを仕込んでいた」「特殊な薬を飲んでいる」といった噂が、まことしやかに囁かれました。さらに噂はエスカレートし、「警察に逮捕された」という根拠のない噂や、ついには「死亡した」という衝撃的なデマまで流れる始末。
今振り返ると笑ってしまうような話ばかりですが、ここまで突拍子もない噂や都市伝説が広まること自体が、当時の高橋名人がスターだったからこそと言えるでしょう。


伝説の標語「ゲームは1日1時間」の真実
「ゲームは1日1時間」というフレーズは、高橋名人が1985年のゲームイベントで口にした言葉が始まりです。当時は「ゲームセンターは不良のたまり場」というイメージが強く、会場には大勢の保護者も付き添いで訪れていました。そこで親御さんたちを安心させる為に発せられたのがこの言葉です。
その後、ハドソンの社長から、それに関する標語を作るよう命じられた高橋名人は、「勉強や外遊びもしっかりやろう」というニュアンスの標語を考案したそうです。
それから約30年後、2014年にオックスフォード大学の研究チームが、1日1時間以内のビデオゲームは子どもたちに良い影響を与えるという研究結果を発表。「ゲームは1日1時間」という高橋名人の言葉が、科学的にも裏付けられることとなりました。



自社製品のプレイ時間をあえて制限する。利益を至上命題とする企業が「ゲームは1日1時間」などという標語を掲げるのは、資本主義の論理から見れば完全な自己矛盾だ。
ハドソンにとっては、ゲームのプレイ時間が長ければ長いほど、利益を得やすくなるはずだ。だが、自らそこにブレーキをかけざるを得なかった背景には、当時の大人たちが抱いていた「ゲーム=悪」という凄まじい偏見があったのだろう。
この標語は保護者の不安を鎮め、業界へのバッシングをかわすための、言わば防波堤としての言葉だったはずだ。
企業イメージを守るための言い訳が、三十年後に名門オックスフォード大学のお墨付きを得て「先見の明」へと格上げされる。結局のところ、人は自らの頭で本質を見極めることを放棄し、常に「権威ある誰か」が提示する正解を待ち望むものなのだろう。


ゲーム史に輝く「ハドソン」の名作タイトル5選
高橋名人で知られるハドソンは、ファミコン黄金期からテレビゲーム業界を盛り上げてきたゲームメーカーです。このパートでは、そんなハドソンの今なお語り継がれる名作をご紹介します。
高橋名人の「16連射」を生んだ名作シューティング『スターフォース』
高橋名人の代名詞である「16連射」が世に知れ渡るきっかけとなったのが、『スターフォース』です。元々は1984年にテーカン(現・コーエーテクモゲームス)からアーケードゲームとして発売された、縦スクロールのシューティングゲームでした。
本作には多彩な隠れキャラクターやボーナスが用意されており、熱いスコアアタックがプレイヤーを魅了しました。現在でも、Nintendo Switchなどでプレイ可能です。高橋名人が魅せた興奮を、現代のハードで味わってみてはいかがでしょうか。
社員が主人公に!? 名作アクション『高橋名人の冒険島』
1986年、ハドソンからファミリーコンピュータ用ソフトとして発売された横スクロール型アクションゲームが『高橋名人の冒険島』です。その名の通り高橋名人が主人公となり、キュラ大王に連れ去られてしまった恋人ティナを助け出すために冒険に挑みます。
しかしポップな世界観とは裏腹に、非常に高い難易度のゲームとしても知られ、多くの子どもたちが苦戦しました。それでも当時の高橋名人ブームの後押しによってセールスは大ヒットを記録。これを皮切りに続編やシリーズ作品も多数作られ、長くファンに親しまれる人気タイトルとなったのです。
昔話が国民的ゲームに!『桃太郎シリーズ』の多彩な魅力
誰もが知る日本の昔話「桃太郎」をモチーフにしたハドソンの『桃太郎シリーズ』は、ゲームライターのさくまあきら氏らが中心となって生み出されました。本家となるRPG『桃太郎伝説シリーズ』を筆頭に、アクションゲームなど多彩なジャンルが展開されました。
その派生作品として誕生したボードゲーム形式の『桃太郎電鉄シリーズ』は、後に大人気シリーズへと成長します。開発元のハドソンは2005年からはコナミグループとなっていますが、「桃鉄」の愛称で親しまれる同シリーズは今現在も新作が作られ、幅広い世代に愛され続けています。


友情崩壊に注意!? 爆弾アクションの金字塔『ボンバーマン』
1985年にハドソンから第一作が発売された名作アクションゲーム『ボンバーマン』。主人公を操作し、マップ上に爆弾(ボム)を置いて敵を爆風で吹き飛ばすという、明快なシステムが、多くのプレイヤーの心を掴みました。
1人でステージクリアに挑戦するのも面白いですが、本シリーズの最大の醍醐味はなんといっても白熱する対戦プレイにあります。現在でも家族や友達とワイワイ遊べるパーティーゲームとして親しまれ続けています。



あたしさ、普段ゲームとかあんまりやんないんだけど、友達の家でお泊まりした時とか「桃鉄」とかやることがあるんだよね。みんなでお菓子食べながらやるの、めっちゃ楽しいじゃん?
でも、ガチで勝負し始めると「今のズルくない!?」みたいになって、リアルに喧嘩になっちゃうんだよね〜(笑) ガチになりすぎて口きかなくなる子とか普通にいるし。
でも、そんな本気でムキになれるのもひっくるめて、こういうパーティーゲームって面白いよね〜。次やるときは絶対あたしが一番勝つし!
音楽界の巨匠も参加!『天外魔境シリーズ』
1989年にハドソンから第一作が発売された『天外魔境シリーズ』。本作は世界初のCD-ROMを使ったゲームとして歴史に名を刻んでいます。
マルチクリエイターの広井王子氏を中心に制作され、「外国人がイメージする間違った日本」というユニークなコンセプトで、ロールプレイングゲームを中心に対戦型格闘ゲームも作られました。第一作では世界的音楽家の坂本龍一氏、第二作ではジブリ作品などで知られる久石譲氏も参加しています。





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